中村:
今回はですね、私の地元でもあります山梨県都留市のまちづくり交流センターからお送りしています。
コロナ禍でですね2年連続で毎年9月1日に行われていましたお八朔祭、今はふるさと時代祭りとなっておりますがこれが取りやめになりまして過疎化だとかねそういう中で今回のコロナがあってなかなかお祭りとかそういうものが出来なくなってですね、イベント事もしくは古くから伝わってきた文化を後世に残さなきゃいけないと思いまして今回このコンテンツを作らせていただきました。
ふるさと時代祭りで大きな出し物として私たちの街でですね、都留市下天神町大名行列というのをやっているんですけど保存会の会長の鈴木 幹夫さんにお話を伺いたいと思います。
鈴木会長、どうぞよろしくお願いいたします。
鈴木会長:
よろしくお願いいたします。
大名行列とは?
中村:
大名行列についてお話を伺いたいと思うんですけど、僕が生まれる前から大名行列はあったんですけど、大名行列が出ていたというのはどういう歴史があるんですか?
鈴木会長:
口伝ですけど私が聞いてる範囲では元々はこの調子の秋元但馬守が川越に添付する時に十万石の衣装を下天神町にその当時中元でいた方に預けて行ったらしいんですよね。
それで、その十万石の衣装を使って私を偲んで欲しいと…
それで四日市場っていうところに生出神社ってあります。
そこの生出神社っていうところが秋元但馬守の子供が生まれた時に生まれ出た子供ということで生出神社という神社を作りました。
その生出神社が9月1日の八朔祭をするときにですね、宮司さんが本祭りにするのか居祭りにするのかとそこから本祭りの時にですね大名行列を出してほしいということで依頼が来るわけですね。
もともと江戸時代頃から行列はしていたらしいんですけど、いろんな資料を見てもですね僕らが分かるところで行くと昭和23年ぐらいですかね。
戦後、日本がまあ低迷している時にですね「何かないか?」と言う事で大名行列を出したって聞いています。
中村:
戦後に復活したみたいな感じですね。
鈴木会長:
そうですね。
そこから4年に1回とか5年に1回とかねそういう形で今までやってきて、何かメインになるお祭りがないか?という都留市の意向がありまして昭和57年にですね下天神町の大名行列を9月1日の八朔祭のメインにさせてくれないか?という話がありまして
下天神町からですね都留市の方へ大名行列を移管しましてそれで現在は毎年市の方でも予算を取っていただいて38回ですかね?やっています。
ここで2年続けて出来なかったんですけど今はそういう風な経過を過ごしてますね。
下天神町大名行列保存会の会長に就任されたきっかけは?
中村:
会長はもう結構長く保存会の会長をされているのでしょうか?
鈴木会長:
会長職をさせていただいたのはもう7年くらい前ですね。
中村:
そのきっかけは何だったんですか?
鈴木会長:
この大名行列保存会というのは、下部組織として赤熊保存部会がありました。
その保存部会の会長を僕がやってて、大名行列保存会の一環なんですけど
中村:
赤熊保存部会の会長をすでにされていたんですか?
鈴木会長:
はい。
って言うのは大名行列保存会というのは元々ありまして、その下部組織に赤熊保存部会っていうのがあったんですよ。
大名行列のなかでもメインになるのは赤熊なんですよ。
毛槍のことなんですけどね。
それの受け渡しが妙技であって、その保存をして行こうということで赤熊保存部会というのがあったんです。
10年ぐらい前ですかね。それも一緒にしちゃって大名行列保存会という形にしましょうと…
中村:
赤熊保存部会と下天神町大名行列保存会と言うのは別々にあったんですよね?
鈴木会長:
大名行列保存会の中に赤熊保存部会と言うのが…
当時始める時に人が集まらないということで消防団にですね協力を願って60年ぐらい出てくれてるんですけど消防団の方に赤熊保存部会を預けようという事でメインになっていただくのは消防団の方たちなので預けたんですよね。
それでそれをまとめるのは私の役目っていうことでやらして頂いていました。
中村:
保存会の会長になられて7年経ったんですね?
鈴木会長:
はい、そうですね。
私が保存会の会長になった時に赤熊保存部会も全部大名行列保存会に入れちゃいましょうと
それで分かりやすくね大名行列保存会で全部運営していくと赤熊保存部会も一緒に入れて全部やりましょうということで今一本化して、下天神町大名行列保存会という形で今は動いています。
大がかりなイベントの運営は大変
中村:
毎年100名上でイベントを行われていますが、大変なんじゃないでしょうか?
鈴木会長:
大変ですね。
人集めから、練習からね…
やっこと赤熊の練習は毎年8月のですね、最終の週の3日間に行います。
夜に都留市第一中学校のグランドで練習を2時間ぐらいやります。
8月の最終日の日曜日に総練習をしますが、その時には(大名行列に参加する方)全員に来て頂いて一度リハーサルして本番の9月1日を迎えていただくスケジュールを作ってます。
やはりやっこをやっていただくとか、赤熊を振っていただくとなったら一夕一朝では出来ないので、練習をしていただきます。
だから今は保存部会に15人の指導員がいます。
それは下天神町大名行列保存会の方に指導員になっていただいてみんなに踊り方とか歩き方を教えています。
下天神町大名行列保存会を続けられるモチベーション
中村:
ボランティアで色々とご苦労をされていたりすると会長をやりたがらない場合が多いと思うんですけれど…
その中で会長が一生懸命に取り組めるモチベーションはどこにあるのでしょうか?
鈴木会長:
子供の頃から大名行列を見ていて私も後世にずっと残したいと思っています。
たった数十軒から成り立っている下天神町なので、今では24件しかありませんけれど、もうほんとに極小の街ではありますが、その町でもこんだけの都留市のイベントに参加できるということに誇りを持っております。
大名行列を後世に代々伝えていって、都留市にはこういうお祭りがあるよと残っていって欲しいです。
今は神楽保存会や屋台保存会といった方達にもご協力いただいてますので、できれば今後も一緒に頑張っていきたいなという風に思ってます。
伝統を守る苦労とは?
中村:
長年、この街で(伝統)を守って来ていただいて良かった事や苦労した事などあれば是非教えていただけますでしょうか。
鈴木会長:
もう苦労って言えばもう苦労だし、だけど楽しい!
自分たちが一生懸命やってみなさんに見て頂いて喜んでくれたり拍手してくれたりするとそういうのは本当にね「やってよかったな」と感じます。
みんな喜んでくれてる、見た方が「良かったね」「すごいね」って言っていただければね、それだけで僕らは幸せですけどね。
中村:
でも結局、会長は裏方じゃないですか、なかなかそういう境地は難しいなと思いますね。
鈴木会長:
やっぱり行列を見ていて無事に行列が終わりを迎えるところを見ると本当に良かったなと思います。
やはり赤熊が受け取り方が悪かって倒れたりとか過去にはそういうこともあったんですけど、そういう事も無くね無事に終わりを迎えられた時にはもう感無量です。
中村:
400年以上の行列ですから当然色々なアクシデントもあるでしょうし、天気の加減もあるでしょうしね。
それでも成功させるというのはなかなかのご苦労な事ですよね。
全国から下天神町大名行列への参加者を募集します!
中村:
お祭り事が出来るとか文化を保存できるとかそういう事があると思うのでそういった方々にね励ましの言葉か何かあればお願いします。
鈴木会長:
下天神町で大名行列は独自でやっているって思われる方が都留市にいるんですよね。
そうじゃなくて、今僕は都留市全体で
だから色んな地域の方が参加できる大名行列にしたいと考えています。
神楽にしても屋台にしても都留市のみなさんが自由に参加できてこの屋台引っ張りたいという方がいたら引っ張っていただきたいです。
大名行列も参加してみたい、赤熊を振ってみたい、そういう方がいたら是非ですね声をかけてください。
中村:
それは都留市の人じゃなくてもいい?
鈴木会長:
いいです!全国的に(大名行列へ参加したい方を)募集します!!
もし大名行列に参加したいという方がいたら是非、都留市へ来ていただいて一緒に大名行列を盛り上げていただければありがたいと思います。
昔は閉鎖的に下天神町っていう町だけでやってましたのでどうしてもその関連の人じゃないと参加できなかったんですね。
今は都留市の方でバックアップしてもらってますんで僕からすれば都留市以外の方ももし「私も出たい!」「興味がある!」という風な方がいたらですね、ぜひ参加していただきたいと思います。
中村:
毎年9月1日に行われる八朔祭りは色んな所から見に来る方はいらっしゃって観光にもなっているのですが、八朔祭りに参加する!
見に来るのではなく自分が参加する!
鈴木会長:
そういう形も面白いと思うんですよ!
中村:
それいいですよね!
是非参加して欲しいですね。
鈴木会長:
練習は総練習の1日だけは参加してもらって、そうすればそれでどうにか行列に参加できるように9月1日に出来るようにこちらの方で指導しますので興味がある方には是非参加していただきたいと思います。
中村:
参加したい方はこちらのURLをご確認ください!
こちらからメール等でご連絡いただければ嬉しいですよね。
鈴木会長:
そうすればもっと全国に広まりますね!
中村:
今の時代に大名行列を歩くことはなかなかできませんからね。
とってもいい思い出になりますよね!
都留市のお祭りではあるんですけど大名行列以外にもたくさんのイベントがありますし、たくさんの出し物もあります大名行列の参加者もね…
鈴木会長:
そうですね。是非よろしくお願いいたします!
これからの下天神町大名行列保存会について
中村:
最後に何か伝えたい事などありましたらお願いいたします。
鈴木会長:
9月1日っていう日にちで長年やってますんでね
昭和57年からですから結構な年月が経ってますけどこれをね本当に後世に残していきたいですね。
僕らが聞いてきたのは口伝だけなので、できれば文書に残したりして後世の人達にこの歴史を伝えていきたいと思っています。
中村:
今回ですね下天神町で大名行列保存会の資料を作りました。
これがYouTubeとリンクするようになっております。
コンテンツや自費出版のようなものを読んで面白いというよりも保存のために後世に伝えるためにこういうものがあってもいいのではないかと思いにほんの同窓会でもお手伝いをさせていただきます。
これを一つの例として見ていただければと思います。
今までずっと伝わってきたものが残るように、一度なくなったとしてもまたいつか復活できるような形とかを残せるようにこういう活動を続けて行ければと思っております。
今回は下天神町大名行列保存会の鈴木会長にお話を伺いました
今日はありがとうございました
鈴木会長:
ありがとうございます