今回のにほんの同窓会のインタビューは埼玉県立三郷工業技術高等学校 同窓会の事務局をご担当されている石郷則晃先生にお話しを伺いました。
インタビューイ:石郷先生
インタビューア:中村 充(にほんの同窓会理事長)
中村:
本日は埼玉県立三郷工業技術高等学校の同窓会の事務局をされております石郷則晃先生にインタビューをお伺いしたいと思います
本日はよろしくお願いいたします
石郷先生はまたなんで事務局を担当されることになったんですかね
石郷先生:
他の学校さんの事務局担当者している先生とも状況は一緒かとは思うんですが、私たまたま卒業生っていうこともあり
中村:
あ!卒業生でらっしゃるんですか?
石郷先生:
卒業生です
中村:
何期生ですか?先生
石郷先生:
私、6期生ですので卒業生というのもあり、転勤でこの学校にきて
同窓会を担当している教員がいましたので、
その教員がずーっとうまい感じで回していってはいたんですが
急遽転勤することになり、やめてしまうことになり、っていうことで
同窓会に関係する職員がいなくなってしまい
中村:
前の先生も卒業生でらっしゃるんですか?
石郷先生:
そうです、卒業生で回してました
中村:
なるほど!
それは、なんていうんですかね…
白羽の矢が立っても仕方がないところもあるのかもしれないですけど
石郷先生:
ただ、同窓会の担当として校内では同窓会費の徴収であったりとか
そういった事務処理は教員のその分掌というところで
役割で、位置付けで残っていたので、やってくれていたんですが
何分にも理事会徴収したり、議事・議案を作ったり、
というような部分をやっていた教員が一斉にいなくなってしまったので、
宙に浮いていて、もう既に10年くらい経ちます
10年振りに再開した同窓会
中村:
空白の時期がなかなかあったみたいな
石郷先生:
ただ、空白の時期が長く、
動いていないというのを放置しておけばそのまま誰も気付かずに…
中村:
そうですね
石郷先生:
ちょっとしたきっかけがあり、
同窓会理事会をやらなければいけないってこともあり、
そうすると、どうやって招集しようかってことから始まって
じゃあたまたま卒業生で手が空いていてわかりそうだからっていうことで
仕方なく、ボランティア的に引き受けたってことなので
校内的には、又、同窓会の事務局的には位置付けは何もないです!
ですので、事務局員といった方がいいのかな
中村:
「事務局員」ですか
それでも、今までやってたことがずっと繋ぐわけではないですから
一回止まってしまったものを、また走らせるっていうのは
結構大変なことと思いますけど
それは孤軍奮闘ぶりだと…
石郷先生:
十分な引継ぎがなかった
最後に事務局を回していた教員が、急遽退職することになり
中村:
それは急なんですねぇ
石郷先生:
引継ぎもないまま、資料がどこにあるかっていうのも後から探り当て
理事を招集するために、理事は誰なのかということを調べ
なので、同窓会事務局さんのほうに
今の理事の登録はどうなっているかっていうのを聞いて
少し情報をもらいながら、個々にあたってお手紙を出すんですけど
10年も経ってると、理事も転居していて連絡がつかない…
中村:
おぉ~役員さんが!
石郷先生:
はい、役員さんも…
15名の理事・役員に連絡を取って、半数近くから返事があり
中村:
そうなんですか!
石郷先生:
結局集まったのは私を入れて…3人だったので、
合計4人で10年ぶりに理事会ができたていうのがありました
高校の頃と教員としてみる母校への感じ方
中村:
それでも理事会としては成立してますよね?一応ね
石郷先生:
一応会長さんと副会長さんがいましたので、
成立するということでやっています
中村:
10年ぶりの理事会ということで
会長さんも喜んでたんじゃないですか
石郷先生:
会長もやっぱりこの学校に以前はいたんですけど、
転勤してしまってから、やっぱり事務処理が回せないっていうことで
宙に浮いてたっていうことですので…
中村:
会長さんも心配してらっしゃったでしょう?
会長されてて何も…
石郷先生:
そうですねぇ
中村:
役員会もあまり行えないようだと…
心配されてたと思うんですけど
先生、6期生ということなんですけど
学生時代から振り返られまして、
二十何年経って、また教師として戻ってくるっていうのは
まぁ一般的には、一応こう…
ちょっと夢の夢っていったら変ですけど
母校の教師として戻ってくるっていうのは
とってもなんか、いいなと思うんですよ
たしかに同窓会の仕事やんなきゃいけないとか
そういうのはあるかもしれないですけど
先生、今と比べてどうですか?
学校のそのものっていうのは、先生どうですかねぇ
石郷先生:
全国的にやっぱり自分が高校生であった時のことも考えると、
相当、立場的にやることも見方も変わってきている状況なので、
自分がやってきていたことが
今、通じるかっていうと通じないところもありますし…
ですから、正直自分の昔いた学校ではありますけども
もう別物だなっていう風に思いながら
ただ、学校のある地域とかその立地条件とかは変わっていないので
中身は全て変わっていますし、まぁそんな感じでちょっと…
ある意味ショックを受けつつ、
以前はもっとよかったのになんて思いもありますけど…
でもそういう風な思いが持てるということは、
やっぱり自分達の力で、
もう少し、よく出来るのかなっていう思いもありますので
内部にいる人間がもう少しいい方向に持っていけるように
工夫しなきゃなって思いは、やっぱり強いです
中村:
やっぱり生徒の目線から見ると
同じ学校にいらっしゃるじゃないですか
僕、そういう経験ないんですけど、
同じ学校におられて生徒を経験して違う目線で先生からの目線と
前は黒板のこっち側に座ってたのが、
生徒側に向かって講義されてるわけですよね?
そこら辺の目線の違いっていうのはどんなもんですか?同じ学校で
石郷先生:
同じ学校でも他の学校でもなんでしょうけど
私からすれば高校生の時「もったいないことしてたなぁ」と
今、話しかけても返事すらないですので、
一部では「壁に向かって授業している」と
私、揶揄されているところもあるんですけど
だから高校生も今のこの時間・時期・タイミング
公平に割り当てられていた、そのタイミング!
もう少し有効活用して、色んなこと考えてやればいいのにな、
たぶん自分も高校生の時そうだったんだろうなと思うんですけど
中村:
ぜひ高校生の皆さんもね、この一瞬を大事にしていただきたいですね
戻ってこない…
今から高校生になれませんからね
これからの同窓会について
中村:
今後の課題っていうんですかね
先生的には、同窓会っていうのはどうあるべきだと思いますかね
組織っていうのは
石郷先生:
やっぱり歴史ある学校の同窓会さん
拝見させていただいたこともあるので
例えば学校内に同窓会の事務局、常設の部屋があって
必ず毎日誰かしらがいて、連絡が取れて、
というのは歴史のある学校で
中村:
古い学校ですねぇ
石郷先生:
古い学校ですね
ですので、ここの学校みたいに
まだ卒業生が50いっていないような状況でっていうんであれば
まだまだ卒業生の集まりっていっても
そう頻繁にはあるわけじゃありませんから
なので、今後何をしたらいいのかっていったら
まずは定期的に理事会を開くとか
中村:
まずそこからですよね、なるほど
石郷先生:
ただ理事の半数に連絡がつかないような状況もありますので
理事の改選であったりとか、
そういった部分もやらないといけないのかなぁと
年に一回、必ず同窓会の総会を行っていたような時期もありますけど
今はそれが出来るような状況ではなくなってしまいましたので
理事さんを集めて、新しい理事さんを揃えて少しずつ動かすっていうのが
まずまずはここ2、3年の目標になるのかなと
中村:
大事なとこですよね、その根幹からまず作る
根元から作っていかないとっていう
先生のご苦労もこれから、大変かと思いますけどね
逆に今、もう31期生っていうと卒業生何人くらい
いらっしゃるんですかね?
石郷先生:
卒業生、7000人後半でカウントされていますので、その程度なのかなぁと
ただ歴史ある学校だと2万人、3万人…
中村:
まぁいらっしゃいますけどね
石郷先生:
7000人は少ない方かなとは思います
少子化の影響と母校への想い
中村:
7000人の卒業生もこの母校、三郷工業技術高等学校、卒業生が
一期生が40…いくつになるんでしょうかね?
石郷先生:
48…
中村:
48くらいの
社会に出て活躍されてると思うんですけれども
今、石郷先生が孤軍奮闘して同窓会をまとめようとされてるんで
何か卒業生に対してメッセージがあれば…
7000人の卒業生に向けてでもいいと思うんですけれども
何かあれば先生の方からちょっとだけ、事務局から何かこう…
石郷先生:
あの、ちょうど今のタイミングこの時期、社会の話題では
学校のPTA活動が非常に重荷であって保護者も
そういった学校のPTA活動というものには
「距離を置きたい」「なるべく関わりを持ちたくない」なんていって
最近テレビで、アンケートを取ったら、
7割くらいの人が出来れば関係を持ちたくないなんていうのも…
中村:
大変ですっちゃ、大変ですからね
石郷先生:
同窓会というのは、そういったPTA活動とはまた違って
卒業した自分の学校を、どういう風にしたいのかって
いうところにはなるんですけども
それにしてもたぶん関わると、
「あれをやらなきゃ」「これをやらなきゃ」といって
めんどくさいことに巻き込まれるんじゃないかなっていう風な
そういう思いを持っている人が、
少なからずいるのも事実だと思います
例えば理事さん集まってくださいっていう招集かかっても
仕事のスケジュール調整して、集まんなきゃいけないしとか
中村:
大変ですよね、くるの
石郷先生:
家庭もあるでしょうし
少しくらい仕事に余裕が出てきて
色々なことが、うまく回せるような年代にならないと
難しいのかなぁ
ですので、どうしても
卒業生が30期とか40期くらいの若い学校さんは
滞りが発生してもおかしくない
っていうような認識では実はいますので
中村:
そうだと思いますよ、本当に
石郷先生:
なので、少しでもめんどくさいことに巻き込まれるとか
そういう意識持たずに、きていただければっていっても、
来ると…たぶん、役割振られてってなると思いますので
ちょっとそういう部分では可哀想だなとは思うんですけど
それでもやっぱり卒業した学校との繋がり、
中には学校がなくなってしまうっていうのも…
中村:
統廃合でなくなってしまうような学校も今、沢山ありますからね
石郷先生:
埼玉県も、今年からまた5年計画で学校統廃合の話題が出ていますので
中村:
少子化なんでね
やっぱりしょうがないですよね
石郷先生:
なので、その中に巻き込まれて
無くなってしまうってのがあるとってのはゾッとしてるんですが…
そうならない為にも、学校の方で、教育活動の一環で、
無くならないような運動はしつつ
中村:
先生は、母校愛強いですね
石郷先生:
卒業生の一人としてなんとかしなきゃとは思うんですが
さすがに社会全体から、無くてもいいっていわれてしまったら
反論はできませんので
中村:
なるほど
でも入学生はちゃんと、今定員割れのところも多かったりするんですけど
それは、どう…
石郷先生:
これは恥ずかしい話題なので、
あまり大っぴらにはいえないんですけれども
240人で入学して180人で卒業するなんていう時代も
あったわけですから、
そうすると、
どれくらいの率でやめてったのかっていう話ですよね
それに比べれば、一時期そういう状況でしたけど
随分とこう…
中村:
盛り返したような
石郷先生:
盛り返して、挽回して
三郷工業技術高等学校のPRのポイントとは?
中村:
なんか、もちろんPRもひっくるめてですけど
現職の、卒業生でもあり
長年この“三郷高等学校(三郷工業技術高等学校)”の歴史も
ご存知なんで
石郷先生:
他の学校さんだと、芸能人が卒業しているとか
そういったのは大きなPRのポイントになるのかなぁ
ホームページ等みていても、
そういう風に書いてあったりとかするんですけど
本校はどうしてもそういった部分にかけていて、
ただサッカー選手って話題もありましたが
中澤祐二さん、卒業生
本校の何期でしょうね…
9期生かな、になると思います、卒業生で
中村:
先生と入れ替わり、もしくは同じくらいで、
石郷先生:
私と入れ替わりだったんですよ
中村:
ちょうど3年くらいなんですか
石郷先生:
入れ替わりでしたので
今ではこの地域で子供向けのサッカー教室をやっていたりとか
そういったものもありますので
この地域との関わりは、まだ残っているかなと
そういった部分もありますし
ただ、今の高校生に
昔、日本代表の中澤佑二だよっていっても
「誰ですか?」
サッカー詳しい子でも「え、誰ですか?」っていうのは
ちょっと悲しいな
中村:
でも今、就職とか大変な時もあるんですけど
結構なんか、学校の方、みさせてもらったら
就職率100%とか、
こういう見出し、いいなとか思ってたんですけれども
なかなか他の高校では
そういうの、すぐ謳わなかったりしますし
ロボット関係のやつが結構、入賞してたりとか
石郷先生:
就職関係に絞ってみれば
本校100%の希望を叶えるということで
就職者は100%
中村:
そこいいですね
なかなか、謳えないところかなぁと
石郷先生:
丁寧な進路指導をしてくれてるっていうのもありますが
企業さんとのお付き合いが
やっぱり丁寧なので、
そういう意味では求人から漏れることなく
卒業する生徒が職にありつけるっていうのは
一つのPRのポイントなのかなとは思います
あと、ロボットコンテストって話もありましたが
昨年度、全国大会までロボットのコンテスト
中村:
凄いですね
石郷先生:
駒を進めることが出来まして
非常にそれは、関係職員も生徒も驚いてるわけで
実際、ロボットを自分達の手で組み立てて
大会に出た生徒自身が「まさか!」ってびっくりしてますので
中村:
今、工業高校って割と
工業高校って名前が少なくなっちゃってるじゃないですか
そこでやっぱり、
工業技術という名前になってるんですけどね
その名前は、逆に守ってもらえればなと思って
それだけにロボットで入賞したりとかっていうのは
凄く、こちらの学校にも大きい、勲章だと思うんですよね
石郷先生:
埼玉県内では
一番最後に、ですから一番新しい
工業単科の高校として誕生してます
ですので、工業単科の高校は他には
これより新しい高校はないです
中村:
そうなんですか
石郷先生:
ただ工業課程を持ち合わせた総合高校
中村:
総合高校になっちゃってますよね、今ねみんな
そうですね
石郷先生:
工業以外の“大学科”いくつか入っていたりするので
工業単科ではないので
ここはあくまでも工業高校、
工業単科の高校としての位置付けなので
ただ当時、工業高校として新たにつくる、ではなくて
新しい立場の工業高校を作るんだということで
工業技術高校
中村:
そういう理念があってなんですね
石郷先生:
一つありました
中村:
なるほど
埼玉県で最後の工業という、単科であるっていう
今、総合なんとかとか、そういう風な…なちゃってますよね
そこもなんか、この学校の特徴だなと思いますね
同窓会会員へのメッセージ
中村:
最後に何か先生の方からメッセージあれば
石郷先生:
埼玉県内での工業単科の高校を選ぶっていう場合、
いくつかしか選べないってところがありますから
その中の一つの候補としていただけるのは非常に嬉しい限りであって
そういったところで学んで3年間でしっかり卒業していただいて
社会にでた際には、今度は逆に支える立場になっていただいて
同窓会というものに関わっていただいて
私も教員でなければたぶん、同窓会に関わるってことも無かったでしょうし
一末端の同窓会員であって、ほとんど何も知らずに過ごしていたかと思うと
そういう方が実際多いのも事実ですから
だからといって表に出てきて何かをやってくださいっていうのも
みなさん難しいとは思うんですけど
でも一人一人何かしらの思いはあると思うので
そんなことを何かの機会、タイミングを見計らって
伝えていただくだけでも、
たぶん、末端の意見も伝わってくると思いますので
中村:
そうですね
石郷先生:
それをうまく汲み取って
私自身は、一、同窓会事務局員なので、
上に伝えて回すだけになりますけど
良い組織になればなぁと思っておりますので
中村:
本当に石郷先生の同窓会を10年ぶりにやって
理事会から始まって
今後の活躍をご期待したいと思います
本日はどうも本当にありがとうございます