若者の育成、業界活性化そして社会への還元として:国際理容美容専門学校KBF会

今回のにほんの同窓会のインタビューは国際理容美容専門学校 同窓会の代田相談役にお話しを伺いました。

インタビューイ:代田相談役
インタビューア:中村 充(にほんの同窓会理事長)

中村:
本日はですね、日暮里にあります国際理容美容専門学校の同窓会の
相談役をされております
代田様にお話を伺いたいと思います
よろしくお願いいたします

代田相談役:
よろしくお願いします
前国際KBF会会長 現相談役の代田です
よろしくお願いします

中村:
よろしくお願いします
同窓会のほうにどのくらい携われておられるのですか?

代田相談役:
ほぼうちのお店がオープンした時ですから、90年、27年間

中村:
同窓会長も結構長いことされていたようですけれども

代田相談役:
会長になってほぼ9年、10年前ですね
10年前に会長になりまして去年から相談役でございます

中村:
こういうお店の経営されていて、ほかにもお店があるんですよね

代田相談役:
もう一店舗西巣鴨のほうにね

中村:
今日はね会長に髪をカットしていただきまして、セットしていただきまして
育毛ケアも毎月していただいて
おかげさまで
ヴァンテアンという足立区の西伊興にあるお店ですので
また下にリンクも貼っておきますので
それもまたよろしくお願いいたします

代田相談役:
よろしくお願いします

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

“使命感”を持って取り組んでいる同窓会活動

中村:
現役でこうされてて
同窓会の役員としての会長との仕事
結構お忙しいと思うんですけれども
どのくらい学校のほうに行かれたりとかするんですか?

代田相談役:
基本的に学校での会議打ち合わせはまあ年間10回くらいですかね

中村:
10回も

代田相談役:
そうですね、もちろんその間に飲み会みたいのもありますけれども
この業界に入って35年間
自分がこうやって生きてこれたのはこの業界のお陰ですから
やっぱり業界をよくするために自分に何ができるのかなって思ったら
やっぱり一つは若者の育成とそれから業界活性化と社会への還元ですよね
だから若者の育成は学校を通じて、学校の同窓会という活動の場を通じて
若者の育成の場とする
それから業界活性化のためには、美容組合を通じて
免許制度とか業務独占をいかにいい方向にもっていくかっていうのは
そのために自分ができることをするっていう
自分の使命ですね

中村:
社長は独立されてからもう何年くらい経つんですか?

代田相談役:
独立は1990年ですからちょうど27年

中村:
27年間もされているんですか

国際理容美容専門学校同窓会様
KBFというのは正式名称なんですか

代田相談役:
そうですね、最初は、僕の一番国際の初代同窓会会長というのは
つのだ★ひろさんのお兄さんである角田征三郎さん
レオンカンパニーの社長ですか
その方が一番最初のOB会の同窓会の会長をなされていたんですね

中村:
もう60年の歴史がある学校でございますけれども
一期生が卒業した時から、専門学校でありながら、
ちゃんと同窓会組織があったっていうことなんですかね?

代田相談役:
僕もそのへんのことはよく知らないんですけれども
そこはすごいなと思うんですけれども
ほぼ機能してましたね

中村:
しかもメリー・ジェーンのつのだ★ひろさんのお兄さんなんですか
アーティスト兄弟なんですね

代田相談役:
征三郎さんは毎回同窓会があるたびにご来賓いただいております

中村:
専門学校で60年前にすでに同窓会があるっていうのは
結構珍しいケースなんじゃないかと僕は思っているんですけれども

高校大学と出ていて、
両方とも同窓会開催、同窓会総会の通知が来るんですけれども
それが僕は当たり前だと思っていたんですけれども
専門学校で同窓会があるっていうのはレアですね

卒業生たちの将来を見据えた同窓会活動

中村:
KBFではどんな活動をされているんですか?

代田相談役:
一応講習活動ですね

在校生に向けた講習活動、もしくは卒業生に向けた講習活動
在校生だとカットとかセットとかアップとかメイクとか
そういう基礎的な技術に関する講習がメインになりますよね
でも、卒業生に関しては、今度は特殊メイクとか
それから経営セミナーとか自己啓発的なものとか
そういう風にちょっと講習の内容が違ってきますよね

KBFの役員もしくは特殊技術っていうか
これに長けた人間っていうのがいた場合に
こういう講習やりたいよねっていうときに
「卒業生だれかいない?」って言って
そうすると学校の職員のほうで
「何年度に卒業したこういう生徒がいます」
っていうと
「じゃあその人にお願いしましょう」て言って
主に在校生にはそのような感じの講習をしますね

中村:
そうすると学校側でも社会に出て業界で活躍されてる方々を
結構把握されているという事ですね?
そこがすごいですね

代田相談役:
学校も卒業生の中できちんと自分でお店を持ったりとか
ご活躍している生徒っていうのは大事にしています
卒業生もそういう風にそれなりに成功している卒業生っていうのは
やっぱり母校愛が強いですから
しょっちゅう学校に来ますよ
近況報告に来ますよ

国際の場合は理容科・美容科・ビジネス理容、エステですね
三本柱であとヘアメイクもあるのかな
でも、とりあえずこういう講習をやります
たとえばアップの講習をやります
だから皆さん参加したい方は参加してください
と言って全科にインフォメーションをかけます
だからそうするとアップにあまり関係のないエステ科の生徒でも
アップに興味のある子たちは結構参加します

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

中村:
そうすると、要は普段授業では違う科でやってる方も
そこで在校生の時から科を超えたそういう交流も出来るわけですね

代田相談役:
エステ科の場合だとアップに触れる授業はたぶんないはずなんです

中村:
そうですよね

代田相談役:
でも、彼女たちがアップを見たい
「え、こういう課外授業があるんだ
じゃあちょっと参加してみよう」
それはそれでたぶん仕事の役に立つと思うんです

中村:
卒業してからの卒業セミナーっていうのは卒業生を
会員を集めるわけですね?

代田相談役:
そうです

例えば、特殊メイク
それは講習でツテを探しまして
例えば芸能関係で特殊メイクをしてるアーティストとか
そういう人たちとコンタクトを取って
で、学校に来てもらって
特殊メイクを実際にやってもらったりとか
レクチャーしてもらったりとか
やっぱり独立志向が多いですから、この業界
独立するのは大変ですよね
だから、どうやったら独立するのか
要するに独立者の成功談

コンサルタントの会社を呼んで
独立するためにこういう準備をしてください、とか

中村:
実際にもう経営されている方の生の話なんですよね?

代田相談役:
そうですね
だから我々も例えばFCとか業務委託で
お店を展開していることもありますから
そういう人間たちをやっぱりパネラーとして呼んで
実際にじゃあ独立するためにはこういう準備をしなきゃだめだよ
なかなか勤めてると経営者っていうのは独立されるのを嫌がるから
そういう話って聞けないじゃないですか

中村:
お店の中だけだと

代田相談役:
それが、こういう場を使って
研究団体だとどこの研究団体に所属していいか分からないし
研究団体で会費払わないといけないとか

でも同窓会の中でそういうセミナーがやっていれば
手軽に参加できるじゃないですか

だから我々は業界人として
ずっと勤めてサラリーマンでやっていくのもありだろうし
独立してやっていくのもありだろうし
卒業生・同窓生の中で
「こういう風にやってきたら
将来こういう風にしたいんだけど、どうしたらいいですか?」
っていう1つの答えっていうかヒントみたいなのを
たくさんいる同窓生の中から先輩の中から
提示出来ればいいのかな

中村:
将来像みたいなのが出来るのかもしれないですね

同窓生にとって役に立つ同窓会活動とは?

中村:
本当に同窓会活動としては専門学校ならではの活動だと思いますし
なかなか他の理美容関係の専門学校、
たくさんあると思うんですけれども
素晴らしい同窓会活動ですしね
高校とか大学の同窓会とはまた違う取り組みをされてて
ほかの専門学校、理容美容専門学校じゃなくても
そういうのがもっとあってもいいのかなと
今お伺いして思ったんですけれども

代田相談役:
今から25年くらい前って理容と美容って
完全に垣根が分かれていて
当時、理容から美容に参入するっていう動きがかなり多かったんですね
その中で理容は理容で集まってしまうし
美容は美容で集まってしまうし…

でも、同窓会の中で理美容の交流が高まると
情報交換になるわけですよ
そうすると、自分は理容師なんだけど
将来美容に参入したいっていう人間たちにとっては
非常に都合の良い交流の場になるわけですよね

美容の現状を情報収集して帰って、今日に至る、と
それはずいぶん、そういう例は後になって聞きますね

中村:
確かに昔は床屋さんに行ってたんだけど
今は男の人も美容室に通うようになってきていますから

卒業してから流れが変わってきているというのは
あるのかもしれないですね

代田相談役:
コンサルタントっていうのは自分が独立してからのものであって
自分が独立するまでのプロセスにおいては
やっぱり同窓会っていうのは非常に機能するところですよね

やっぱり卒業生の中で
「お店の中で勉強会がないからどうしたらいいんでしょう」
って言った時に
「じゃあKBFのセミナーに参加してみれば」とか
それから、それこそ婚活に役立ったときもありますしね
「なんか閉鎖的で、一人で悶々としてても」って言うんで
KBFの活動に参加したら…

中村:
素晴らしいですね

代田相談役:
そこで交流が、お相手が芽生えて
そういうこともありましたし

あとそれぞれの役員たちも
持ち場持ち場で色々な役割を
責任をもって果たすことによって
自分なりに技術者なり経営者なりとして
勉強になってる部分はあるとは思いますし

中村:
なるほど

代田相談役:
我々の活動が学校の先生に対してかなり役には立っていますよ

やっぱり先生っていうのはあくまでも教科書の事を伝えるだけであって
我々は現場の声を伝えられますから

中村:
そうですね

代田相談役:
それは先生にとっては大きいですよ
先生には教えられない部分ですよね、現実的に
だから先生に対して
授業をやる上でこういう視点に立って
こう授業をやっていったほうが
生徒はたぶん現場に入ったときに分かりやすいですよ、とか
そういう部分では学校の先生にとっては我々の活動っていうのは
たぶん役に立ってます
それは先生にとっては大きいですよ

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

中村:
先生には教えられない部分ですよね、現実的に

代田相談役:
だから先生に対して
授業をやる上でこういう視点に立って
こう授業をやっていったほうが
生徒はたぶん現場に入ったときに分かりやすいですよ、とか
そういう部分では学校の先生にとっては我々の活動っていうのは
たぶん役に立ってます

代田相談役:
各大学とか高校の同窓会っていうのは
寄付金とかを集めて運営をしてるじゃないですか
やっぱり国際も先々のことを考えると
学生数が減ってくっていうのは、これはもう…

中村:
少子化ですしね

代田相談役:
少子化ですから
しょうがないと思うんですよね

今のところ、国際の場合は卒業生1人につき
1000円だったかな
KBF会費っていうものを卒業するときに払うんですよ
1万円だったかな
それを原資にしているんですけども
結局、生徒が減っていくとその金額も減ってきちゃうんですよ
当然減ってきますよね
そうするとKBFという組織の中で同窓会活動ができるような
資金集めをしなきゃならないんですよね

以前中村さんからご提案いただいた寄付金制度
たぶん美容学校でやってるとこないと思うんですよ

中村:
そうですね

代田相談役:
大学とかはそれが当たり前

中村:
でも同窓会自体があまりないですからね

代田相談役:
僕も大学から来るんですけれども
寄付金の用紙とか来ますけどね
大学では当たり前じゃないですか

中村:
財源確保が大変ですよね

代田相談役:
それが当面の同窓会組織として
独立した組織として運営するために
それはやらないといけないなと思います。

これからの同窓会について

中村:
先ほど拝見していたんですけれど、この
AVENUEという広報誌を卒業生に配布していたりとか
そういった魅力ある同窓会なので
住所変更等またありましたら、KBFのほうにご連絡いただければと思います

これを見た方で
「そういう通知来たことないよ」
とか
「私、引っ越しちゃったんだ」
とかいう人がいたら
同窓会のほうへ連絡していただければ、という風に思います
20,000人のうち、結構今ね
住所変わっちゃって分からない方もいらっしゃるんで…

代田相談役:
名簿管理って大変ですもんね

中村:
そうですね

代田相談役:
職員が責任もってやりますって言っても
その職員が退職しちゃって引き継ぎがうまくいかないと
ええ、どうなってるのこれみたいな
よくあるパターンですよ
それが僕は一番困りますよ

中村:
やっぱり同窓会って永遠に活動していかなきゃいけないんでね

代田相談役:
だから名簿を管理していただいて…

全部名簿管理していただくのも
職員とか学校内部でやると限界があるじゃないですか
そうすると、やっぱりそういう業務って
どっかに委託しないといけないわけですよね

そうするとその費用もかかりますよね

すると例えば、講習をやりますっていったときに
講師料が10万円と50万円では
講師の質が全然やっぱり違うわけです
そうすると…

中村:
やっぱり財源はあったほうがいいんですね

代田相談役:
財源がないと先細りになっちゃうわけですね

中村:
セミナーをやるにしても質の違いになってくるわけですね
なるべくいいものを伝えたい、とか
いいセミナーにしたい、ってなるとやっぱり
それなりにお金もかかってくる

代田相談役:
生徒に対して、授業の延長上で
課外授業で教えるっていうのは別にKBFのメンバーでも
全然問題ないわけですよね
そんなにギャラも発生しないですけども
でも卒業生対象に、となると
例えば卒業生で
表参道のトップスタイリストの人間たちが来たときに
その人間が満足するための講師っていうのを
その上の講師を呼ばないと
成立しないじゃないですか
そうなるとやっぱりKBFの中での財源確保っていうのは
重要なことなんです

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

(左)国際理容美容専門学校 KBF会 前KBF会会長・現相談役:代田 道央様 (右)にほんの同窓会:中村 充

中村:
環境変化みたいなのは結構ありましたかね

代田相談役:
それはありましたよ

我々の業界は最初は徒弟制度から始まって
それから宣伝をして集客をするっていう
昔はのれん分けみたいな感じだったんだけど

それがフランチャイズとか業務委託制度になるとかっていう
やっぱり経営、業界を取り巻く環境とか状況は
物凄い変わっています

だから、我々なんかでも目指すのは
時代に合った繁盛店
要するに答えがないわけです

「時代に合った繁盛店って何ですか」
って言われたら
「時代に合った繁盛店」
って言うしかないじゃないですか

でもそれはもうそのときどきで必要なものを取り入れて
要らなくなったものは捨ててくっていう
だからそういうヒントの場に
その同窓会っていうのも
そういうヒントを与えてくれる場になったりもする

中村:
なるほど

代田相談役:
それは自分が実際にやったからわかるんです

やってなかったらたぶんイメージもわかないし
別にそんなのなくてもいいんじゃない
って思うんじゃないですか

でも実際自分が同窓会活動に携わってきて
え、なるほどね、同窓会があるとこういうことも出来るんだ
みたいな

卒業生に対してこういうアプローチも出来るんだ、って
敷いては、学校の差別化にもつながるんだ

中村:
そうでしょうね、普通は卒業したら終わりみたいなものですよね

代田相談役:
たぶんほとんど終わりじゃないですか

中村:
そうですね

代田相談役:
「美容業はブラック企業の集まりじゃない?」
みたいな言い方されるんですけど

中村:
そうなんですか

代田相談役:
はい、まあまあそういう風に言われる

中村:
でも長時間なんですよね

代田相談役:
まあ拘束時間長いですし
「社会保険が完備してないお店が多い」
とかって言われるんですけど

決して僕はブラックではないと思うし
うちの娘が証券会社に就職したんだけども
1年間で辞めてしまった

その辞めた理由は
やっぱり数字に追われて人格否定をされてしまった
このままいったらうつ病になっちゃうよね
だったら辞めたほうがいいんじゃない、みたいな

それから比べたら全然我々の業界はブラックじゃないし
素晴らしい仕事だと思うんですよね
帰り際に「ありがとうございました」
って僕が言うんじゃなくて
お客さんが言って帰られるわけですから

だから、そういう意味ではいい業界だと
いい職種だと思うんですよね

中村:
そうですね

代田相談役:
ただ、やっぱり生産性の低さとか
そういうのが問題になっているんで
これをやっぱり生産性とかそういう部分を改善していくためには
やっぱり業界のイノベーションが必要だし
現場で働く美容師1人1人の
プロとして恥ずかしくない知識なり技術を
身に着けていかないと時代に取り残されちゃうのかな、と…

中村:
今日は同窓会の話も然りなんですけど
経営者としての大きなお店2店舗持たれて
30年近く創業からやってこられた
代田社長の経営のお話まで聞かせていただいて
本当に有意義な時間だったと思います

代田社長、本日はどうもありがとうございました

代田相談役:
とんでもないです
ありがとうございます