母校で教員をしながら30年以上同窓会運営に携わって:日本大学習志野高等学校同窓会

今回のにほんの同窓会のインタビューは日本大学習志野高等学校同窓会の倉又 勇一先生(当時・現在は学校長)にお話しを伺いました。

インタビューイ:倉又 勇一先生(当時・現在は学校長)
インタビューア:中村 充(にほんの同窓会理事長)

中村:
教員の頃から同窓会の役員をされているそうですが、現在は(同窓会に携わって)何年になりますか?

倉又 勇一先生:
昭和56年(1981年)に日本大学習志野高等学校の教員になりましたので、2014年で33年程、同窓会に携わっています。

中村:
同窓会の会報誌も第45号が発行されていたり、総会の資料などにもずっと携わられていらっしゃると言う事ですか?

倉又 勇一先生:
そうですね。私が同窓会に携わってからはずっとですね。現在は冊子のような形になりましたが、当初は両面の1枚だけの新聞のような形式でした。

日本大学習志野高等学校同窓会

日本大学習志野高等学校同窓会会報誌

30年以上の同窓会実務の経験

中村:
一般的に同窓会の役員は現職の教員の方でしたら2~3年で交代する、と言う事が多いですが、30年以上の同窓会に携わっていて苦労された事はありますか?

倉又 勇一先生:
公立の場合ですと、定期的に入れ替えはありますが、私立の場合はあまり入れ替えが無いですね。私が就職した当時は卒業生がこの学校の教員として就職する人が少なかったんですね。私で2人目なんですよ。その後、4,5年してから卒業生が就職しました。私の先輩の先生も、15歳くらい年上の方なので、なるべく自分が動かなくては…と言う使命感もありました。卒業生が3名だけ…と言う時期は20年くらい続きました。

中村:
役員会も活発だと伺いましたが、こちらも高校では異例の事だと思いますが…

倉又 勇一先生:
1年の内、1月と8月以外の10ヶ月は毎月役員会を開催しています。

中村:
卒業生の方たちが集まってくださるのが凄いな…と思いますが…

倉又 勇一先生:
役員と言われる方が10名前後いらっしゃいますが、その方たちは積極的に役員会、総会、そして学校行事にも参加してくださいます。それ以外の方は非常に少ない、と言う事もあります。私が役員になった頃は、総会と言えば100名近くの方が集まっていましたが、最近は3,40名の卒業生が集まるような感じです。

中村:
もっと多くの卒業生に総会に参加してもらうことが今後の課題でしょうか?

倉又 勇一先生:
そうですね。10年くらい同じような状況が続いていますので、検討しているんですね。皆さんで声をかけましょう、と話はしているのですが…。

中村:
イベントがあって10年に1回もしくは20年に1回集まるかどうか…と言う感じではありますよね。昔とはいえ100名近くの方が集まっていたというのは凄い事ですね。

倉又 勇一先生:
工業科を志望して入ってきていた方たちなので、愛校心が強く現れていたのではないでしょうか。現在は、第一志望が公立で第二志望や第三志望で日本大学習志野高等学校に来てくれる生徒が多いので…。時代の流れですかね…。

日本大学習志野高等学校:倉又 勇一先生(当時)

日本大学習志野高等学校:倉又 勇一先生(当時)

同窓会役員をしていての思い出は…

中村:
30年以上の同窓会役員の思い出はありますか?

倉又 勇一先生:
歴代の4名の会長と一緒に同窓会を運営してきましたので、それぞれの会長の考え方がありますから、たくさんの事を学ばせていただきました。会報誌や総会の資料を作成する際には現場にいる私を含めた卒業生の同窓会の役員が一番動かなくてはいけない事が一番、苦労した思い出ですね。

中村:
それでも続けてこられたのは、毎月の様に(同窓会役員会に)集まってくださる役員の方がいて、倉又 勇一先生の様な方が学校にいらっしゃっるなかで、調整役と言うか、橋渡しをしていたから続いているのではないですか?

倉又 勇一先生:
そうですね。歴代の会長を含めた役員にも凄く理解をしてもらっていました。

中村:
調整が一番難しいですよね。母校あっての役員会ですし、役員ばかりでは母校の事は分からない…。

倉又 勇一先生:
役員会の度に、母校の現状についてお話して、お手伝いをお願いして、皆さんが結束して引き受けてくださる事もあったので、ここまでやってこれたのだな、と思います。

中村:
歴代の4名の会長に仕えた、学ばせてもらった、と言う事はなかなかいえないのではないか…と思うのですが、会長ですから無茶も言うでしょうし、学校との調整もしなくてはならない事もあったと思うのですが…。

にほんの同窓会:中村 充代表理事

にほんの同窓会:中村 充代表理事

倉又 勇一先生:
やはりひとつの組織の会長になられる方はそれだけの人格がある方ですし、まとめる力もお持ちの方なので、その方のお話を聞いていたので、クラス担任や学年主任、そして教頭という立場になった今でも、とても役に立っているので、本当に感謝しています。

倉又 勇一先生が持っている信念

倉又 勇一先生:
一つ、私の昔からの信念が、年上・年下に関わらず「人から学ぶ事は必ずある」と言う事です。

中村:
そういった姿勢を見ていると倉又 勇一先生のようになりたい、と言う方も増えるのではないでしょうか。

倉又 勇一先生:
私が取り組んできた事で、後輩の先生方が何かを感じ取ってくれる事はありがたい事ですね。

中村:
そういった話を何回か聞いたことがあるので、決して驕ることなく、色々な方に慕われて、出世もしているのかな…と思うのですが…。皆が「教頭」になれるわけではないですし。

倉又 勇一先生:
たまたまね…私は格好つけているわけでも、肩肘を張っているわけでもありません。もっと遡ると、私を育ててくれた両親のおかげだと思います。ものの考え方だったり、人間として、(人から学ぶ事は必ずあると思って生きる)生き方を教えてくれました。

中村:
頭が良い・悪いを超えた人格、と言うのですかね。

倉又 勇一先生:
まぁ、それが素の私なんですけどね…。

中村:
私立の高校でも30年以上同窓会に携わっている方…と言うのは聞いたことが無いので…。

倉又 勇一先生:
携わった年齢が若かった、と言う事もありますよね。それからずっと(千葉県)習志野にいる…と言う事も手伝って、あっという間に30年。

全国の学校の同窓会役員の方々へのメッセージ

中村:学校の先生として同窓会役員をやっていて、同窓会の窓口として携わられてて…他の高等学校が大体5000校くらいありますが、その同窓会の方たちに向けてメッセージをお願いします。

(左)日本大学習志野高等学校:倉又 勇一先生(当時)・(右)にほんの同窓会:中村 充代表理事

(左)日本大学習志野高等学校:倉又 勇一先生(当時)・(右)にほんの同窓会:中村 充代表理事

倉又 勇一先生:
まずは、母校に対してどれだけの思い入れがあるか、教員として母校を盛り上げたいと言う気持ち、それから先輩方が作ってきてくれた同窓会、卒業生の会ですから、学校が衰退すれば同窓会も衰退しますので、同窓会も同じように盛り上げて行きたい、と言う気持ちです。

中村:
先生は学校にはかなりの貢献をされていらっしゃいますよね。同窓会もそうですが…

倉又 勇一先生:
一教員ですが、それでも「学校をもっと盛り上げたい」と言う気持ちを持って取り組んでいます。

中村:
やはり「想い」が一番大切な部分なんでしょうね。

倉又 勇一先生:
あと、もう一つは“継続は力なり”。続ける事は大変ですが、続けた事が大きな力になる。会報誌も私がこの学校に来てから1度も途切れることなく…。記事が集まらないこともありましたし…、実は資金繰りでもなかなか資金が集まらずに、会報が発行出来ないのでは…と思うこともありました。

実は、今でこそ、住所が分かっている方全員に会報を送っていますが、一時は、運営資金の関係で、総会に来ていただいている方や総会の出欠のはがきの返信を下さる方など、同窓会に関心を持ってくださっている方だけにお届けしていた事もありました。

中村:
やめよう(と言う選択肢は)無かったんですか?

倉又 勇一先生:
無かったです。これ(会報誌)は続けなくてはいけない。1度途切れてしまうと、なかなか復活させるのは難しいし、再開させる時にはものすごいエネルギーが必要ですよね。

中村:
30年以上携わった同窓会ですが、これからも記録を更新してもらいたいですね。

倉又 勇一先生:
本校にいる間は更新していきます。

中村:
後任の先生も大変ですよね。

倉又 勇一先生:
今、卒業生の先生が6名いるので、年に2回くらい集めて、同窓会の会報で現在の母校を知るのを楽しみにしている方がいらっしゃる…と言う事を伝えています。

日本大学習志野高等学校同窓会・会報誌

日本大学習志野高等学校同窓会・会報誌

これからの同窓会活動について

中村:
これからの同窓会についてはどう考えていますか?

倉又 勇一先生:
今の第一の希望は総会をもう少し、盛り上げたい。たくさんの方に総会に来てもらう事で、同窓会の運営や同窓会の位置づけを一人でも多くの方に知ってもらいたいです。そのためには発信することが大切だと考えています。

中村:
総会で、現在の母校を知ったり、恩師に出会ったり、旧友に再会したりね…。その場で会う事が中々無いですよね。

倉又 勇一先生:
地方から出てきた先生から話を聞くと、○○県人会とかやると100名200名直ぐ集まるのに、どうして同窓会は集まらないのか?宣伝が下手なんじゃない?と言われるんですが、地方から出てきている方の結束や思い入れが違うのかなと思います。そういう気持ちを本校の卒業生も1年に1度、母校に向けてもらえたら、ありがたいですね。

日本大学習志野高等学校同窓会会報誌

日本大学習志野高等学校同窓会会報誌

インタビュー動画はこちら▼

01日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー

 

02日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー

 

03日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー

 

04日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー

 

05日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー

 

06日本大学習志野高等学校 同窓会 倉又 勇一先生インタビュー